「英検は何歳から受けさせればいいですか」
よくいただく質問です。私の答えは、年齢は気にしなくていい、です。
ただし、年齢のかわりに必ず見ていたものがあります。我が家の子どもたちがどう受けてきたかと合わせて、お話しします。
我が家の受け方
上の2人と下の2人で、受け方も理由もまったく違いました。
上の2人は、小学6年生で3級に合格しました。これは将来の受験に備えた「勉強」の一環です。
下の2人は、小学1年生で3級、小学3年生で準2級、小学6年生で2級に合格しました。こちらは純粋に力試しです。0歳から家で英語に触れて育った子が、今どのあたりにいるのかを見るために受けました。
この2人がやったことは、単純です。幼児期から英語を浴び、繰り返し声に出す。それだけです。私たちはこのやり方をブリッジ英語メソッドと呼んでいます。英語を「勉強する言語」ではなく「使う言語」にしてしまうまで、橋を渡してしまう、という意味です。
Learning Arts ENGLISH は、この2人の家庭で10年以上かけて実証したやり方を、どの家庭でも再現できるようアプリにしたものです。
年齢を気にしなくていい理由
英検に年齢制限はありません。小学生から社会人までが対象で、小学生が2級を受けることもできます。
ただし、級ごとに目安が決められています。
- 5級:中学初級程度
- 4級:中学中級程度
- 3級:中学卒業程度
- 準2級:高校中級程度
- 準2級プラス:高校上級程度(2025年度に新設された級です)
- 2級:高校卒業程度
ここで知っておいていただきたいのは、英検は英語力だけを見る試験ではないということです。その背景にある知識も問われます。
たとえば2級は高校卒業程度ですから、「地球の限りある資源と、これからの時代に取り組むべきこと」といったテーマが出てきます。これは正直なところ、小学生には英語力以前の問題です。日本語で出題されたとしても難しいでしょう。
ですから、年齢で決める必要はありませんが、中学受験などで必要な事情がないかぎり、小学生に無理をさせてまで上の級を狙う必要はないと考えています。
私が守ってきた、たったひとつのルール
年齢よりも、はるかに大事にしていたことがあります。
余裕で合格できるレベルになってから受けさせる。
ギリギリのラインで挑ませることは、しませんでした。確実に受かる状態まで待たせて、確実に合格させる。守っていたのは、これだけです。
なぜ、そこまでこだわるのか
英検を受けるいちばんのメリットは、本人に自信がつくことだと思っているからです。
英語ができると客観的に認められた、という事実は、小学生にとってそれなりに大きな勲章です。この勲章を渡してあげられるかどうかが大事で、資格そのものの価値は、正直そこまで大きくありません。
だからこそ、落とさせたくないのです。ギリギリで挑んで不合格になれば、勲章どころか逆の経験になってしまいます。
確実に合格へ導いてあげることのほうが、英検という資格そのものより大切だと考えています。
対策は、ほとんどしていません
下の2人がどれだけ対策をしたかというと、直前に過去問を1冊やっただけです。
それで十分でした。ただし、過去問をやらせた理由はあります。
家で英語に触れて育った子は、会話に必要な単語は身についています。ところが、受験英語では当たり前とされる簡単な単語を、意外と知らないということが起こるのです。そうした「抜け」を埋めるために、直前に1冊だけ取り組ませました。
級よりも大事なもの
正直に申し上げると、下の2人について、私は英検の級をそれほど重視していません。
それよりも大きいのは、英語の持つ自然なニュアンスを理解していることです。
受験英語では、単語やフレーズを日本語訳とセットで覚えます。この子たちは、そうやって覚えていません。ですから、選択肢の問題で「なぜそれが正しいのか」を説明できないことがあります。
それでも、正しいほうを選べます。理屈ではなく、そう聞こえるから選べるのです。
この状態になっているかどうかが、級よりもずっと大きいと思っています。
実際、下の2人はネイティブの子どもと会話ができますし、英語の本を原書で読みます。一方で上の2人は、小学生のうちに3級に合格しましたが、英語で会話ができるようにはなりませんでしたし、受験のための英語の勉強も欠かせませんでした。
級だけを見ていると、この差は見えません。
デメリットはあるのか
「対策に走って、英語そのものが嫌いになるのでは」と心配される方もいます。ですが私は、デメリットは特にないと考えています。
機会があれば、受けさせてあげるといいと思います。合格は、子どもにとって素直にうれしいものです。
ただし繰り返しになりますが、余裕で合格できるラインになるまでは控えさせてください。大事なのは、そこだけです。
まとめ
- 英検に年齢制限はない。年齢は気にしなくていい
- ただし級には目安がある。2級は高校卒業程度で、背景となる知識も問われる。小学生に無理をさせてまで上の級を狙う必要はない
- 守るべきルールはひとつ。余裕で合格できるレベルになってから受けさせる
- いちばんのメリットは本人の自信。だからこそ、確実に合格させてあげることが、資格そのものより大切
- 級より大事なのは、英語の自然なニュアンスが身についているかどうか
出典
- 各級の目安 公益財団法人 日本英語検定協会
※ 記載の学習成果は個人のものであり、同等の結果を保証するものではありません。