「小学校でも英語をやってくれるようになったから、家では何もしなくていいのでは」

そう思われる方もいると思います。実際、小学校で英語が正式な教科になったのは2020年度からで、それ以前とは状況が変わりました。私の上の子たちのころには、小学校に英語の授業そのものがありませんでした。

では、学校の授業だけで足りるのでしょうか。

時間を数えてみると、答えははっきりします。

まず、授業時間を数えてみます

文部科学省が定めている標準授業時数から計算します。※1

  • 小学3年・4年:外国語活動が、それぞれ年35コマ
  • 小学5年・6年:外国語(教科)が、それぞれ年70コマ
  • 中学1年〜3年:外国語が、それぞれ年140コマ

小学校の1コマは45分、中学校は50分です。実際の時間に直すと、こうなります。

  • 小学校の4年間:210コマ=157.5時間
  • 中学校の3年間:420コマ=350時間
  • 小中9年間を合わせて、およそ508時間

9年かけて、500時間ほどです。

家庭なら、1年で超えます

我が家の下の2人が、0歳のころから毎日どれくらい英語に触れていたかというと、1日あたり1〜2時間でした。あとは音楽をBGMとして流しておく程度です。

1日1時間なら、1年で365時間。1日2時間なら、730時間です。

つまり1日1時間なら1年半かからずに、1日2時間なら1年かからずに、学校9年分の時間を超えてしまいます。

特別なことは何もしていません。テレビを英語にして、音楽を英語にしていただけです。

ただし、本当の問題は量ではありません

こう書くと、量の話に聞こえてしまうかもしれません。

私自身、量が大事なことは理解しています。ですが、それよりも大切だと思っているのは、英語を「家庭の文化」に取り入れることです。

1日1時間と決めて机に向かわせるのではありません。家の中で流れている言葉のなかに、英語が当たり前にある状態を作る。そうすれば、時間は自然に積み上がります。

この違いは大きいと思っています。

学校の英語授業が難しい、2つの理由

学校の授業が足りないのは、時間だけの問題ではありません。構造的に難しい事情が2つあります。

1. 子どもの実力差が、ありすぎる

これは、教える側にとって本当に難しいことだと思います。

同じ教室に、英語が話せる子と、ABCも知らない子が一緒にいます。どちらに合わせても、もう一方には合いません。

結果として、英語を多少なりとも知っている子にとっては、退屈すぎる授業になります。実際に子どもが受けたテストを見たことがありますが、英語が一文字も書かれていない、カタカナだけのテストもありました。

学校が悪いのではありません。この差を1つの教室で埋めるのは、構造的に無理があるのです。

2. 受験中心で、アウトプットが圧倒的に少ない

日本の英語教育は、どうしても受験を中心に組み立てられています。

読む、書く、文法を覚える。この比重が大きく、自分の口から英語を出す時間が圧倒的に少ないのです。

これについては、私たち親の世代がいちばんよく知っているはずです。中学・高校と6年間やって、それでも話せるようにならなかった。あの感覚です。

「英語を身につける」という観点で見れば、ここは残念ながら無力だと言わざるをえません。

中学からの「差」で、嫌いになる

もうひとつ、よく聞く話があります。

英語に触れてこなかった子が中学から本格的に取り組むと、すでにできる子との差が圧倒的です。がんばっても思うように成績が伸びず、英語そのものを嫌いになってしまう。これは本当によく聞きます。

逆に、小学生のうちから英語に親しんでいた子が、高校受験のレベルでつまずいたという話は、私は聞いたことがありません。

差は、中学で急に生まれるわけではありません。それまでの数年間で、すでについています。

学校を責めても、始まりません

ここまで書きましたが、私は学校を批判したいわけではありません。

足りないのは、学校の責任ではないからです。限られた時間のなかで、実力差のある子どもたちをまとめて教える。その制約のなかで、できることをやってくださっています。

足りないのは、単純に時間の問題です。そして時間の問題である以上、埋められるのは家庭しかありません。

とくに、受験で点を取ることではなく、将来ほんとうに役に立つ英語力を身につけることをゴールに置くのであれば、家庭での環境づくりは必須だと考えています。

Learning Arts ENGLISH の場合

Learning Arts ENGLISH は、幼児期に英語を浴びて繰り返し声に出すブリッジ英語メソッドを、アプリの形にしたものです。

毎日短い時間で、長い期間続けられることを前提に作りました。机に向かう勉強ではなく、生活のなかに英語が流れている状態を、家庭で無理なく作っていただくためのものです。

まとめ

  • 小中9年間の英語の授業は、全部合わせておよそ508時間
  • 家庭で1日1〜2時間なら、1年ほどでその9年分を超える
  • ただし本当に大切なのは量よりも、英語を「家庭の文化」に取り入れること
  • 学校の授業が難しいのは、実力差がありすぎることと、アウトプットが少ないこと
  • 中学から始めた子が差に打ちのめされて英語を嫌いになる話は、本当によく聞く
  • 足りないのは学校の責任ではない。時間の問題なので、家庭で埋めるしかない

出典

※ 記載の学習成果は個人のものであり、同等の結果を保証するものではありません。