「フォニックスは何歳から始めればいいですか」
これもよくいただく質問です。フォニックスとは、英語の文字と音の対応のルールを学ぶ方法のことです。たとえば「b」という文字は「ブ」という音を表す、といったルールを身につけていきます。
私の答えは、音が先、文字はあとです。
聞けない音は、発音できません
順番を大事にしている理由は、単純です。聞いたことのない音は、口に出せません。
耳がその音を知らないうちに文字とのルールを教えても、覚えるのは形だけです。音の裏付けがないので、ただの暗記になってしまいます。
逆に、音のインプットが十分にたまってくると、アウトプットは急激に伸びる傾向があります。それまであまり口に出さなかった子が、ある時期から一気に話しはじめる、ということが起こります。
ですから、焦る必要はありません。
我が家は「始めた」というより、気づいたら入っていました
下の2人の場合、フォニックスを「さあ始めよう」と始めた記憶はありません。
当時使っていた教材のDVDに、フォニックスがひとつのコンテンツとして入っていました。海外の幼児向けの絵本教材を買ったときにも含まれていたので、あわせてやってみた、という程度です。
ただ、1〜2歳のうちは、思ったようには言葉にできません。耳から入っているだけの時期です。
2〜3歳ごろから少しずつ口に出すようになり、3〜4歳ごろから、単語と合わせて徐々に練習するようになりました。
焦らず、遊び感覚で
音が十分にたまってきたら、遊び感覚で広げていくのはとても良いと思います。
たとえば、同じ音で始まる言葉を探してみる。知っている単語の最初の音だけを言ってみる。そうしたちょっとした派生の遊びで十分です。
机に向かわせて教え込む必要はありません。
母音から始める理由
私たちの教材では、フォニックスをアルファベット順には並べていません。母音(a・e・i・o・u)を先に入れています。
理由は、母音がすべての基礎だからです。そして基礎だけに、使う機会が圧倒的に多いのです。ほとんどの英単語に、母音が入っています。
子音についても、使われるバリエーションの多いものを優先して組み込んでいます。
「A、B、C…と順番に覚えればいい」と思われがちですが、使う頻度で考えると、順番は変わってきます。
つまずきやすいところ
フォニックスには、混乱しやすいポイントがいくつかあります。
名前の読み方と、音がちがう
「b」は、名前として読むと「ビー」です。ところが単語のなかでは「ブ」という音になります。「d」も名前は「ディー」ですが、音としては「ドゥ」に近くなります。
名前と音がちがうので、子どもは混乱しやすくなります。
同じ文字なのに、発音がちがう
たとえば「cat」の「a」と、「cake」の「a」は、同じ文字なのに音がちがいます。英語にはこうした例がたくさんあります。
ローマ字と混ざる
小学校でローマ字を習うと、文字をそのまま日本語の音に当てはめて読むようになります。たとえば「me」は、ローマ字なら「メ」ですが、英語では「ミー」です。こうしたずれが、英語の音と混ざってしまうことがあります。
文字に引っ張られすぎなくていい
こうした混乱は、文字から入ろうとするほど大きくなります。
ですから、あまり文字に引っ張られる必要はありません。音で覚えていれば、それで十分です。文字とのルールは、音が身についたあとから、少しずつ結びつけていけば大丈夫です。
Learning Arts ENGLISH の場合
Learning Arts ENGLISH は、幼児期に英語を浴びて繰り返し声に出すブリッジ英語メソッドを、アプリの形にしたものです。
フォニックスは、毎回のエピソードのなかに2文字ずつ組み込んでいます。最初の6話のうち5話で母音が登場し、シーズン2の後半からは「ee・ea」「ai・ay」のような母音の組み合わせへ進みます。
フォニックスだけを取り出して勉強するのではなく、物語や歌と一緒に、音として自然に入っていく設計です。
まとめ
- フォニックスは、音が先、文字はあと。聞いたことのない音は発音できない
- 音のインプットが十分にたまると、アウトプットは急激に伸びる。焦る必要はない
- 我が家は教材に入っていたので自然に始まった。1〜2歳は耳から、3〜4歳ごろから単語と合わせて
- 音がたまったら、遊び感覚の派生練習で十分
- 母音はすべての基礎で、使う機会が圧倒的に多い。アルファベット順にこだわらなくていい
- 名前読みと音のちがい、同じ文字でも発音がちがう点、ローマ字との混同に注意。文字に引っ張られすぎなくていい