「うちの子、英語を嫌がるんです」
「恥ずかしがって、なかなか口に出してくれません」
どちらもよくいただくご相談です。ただ、この2つはまったく別のものだと考えています。原因がちがうので、対処もちがいます。
恥ずかしがるのは、ある意味で自然なことです。どうにかなります。
一方で「嫌がる」ようになってしまうと、これはかなり手強い。私は、こちらがおうち英語の最大の障壁だと思っています。
順番にお話しします。
恥ずかしがるのは、始めた年齢が上がるほど
恥ずかしがる子には、はっきりした傾向があります。英語を学び始めた年齢が上がった子ほど、恥ずかしがりやすいのです。
考えてみれば当然かもしれません。子どもが人見知りをするようになる年齢に、知らない言葉で、大人と話す。オンライン英会話などは、まさにこれです。大人の私たちでも、かなりハードルの高いことをやらせていることになります。
ところが困ったことに、この幼児期にアウトプットをさせてあげないと、なかなか定着しません。聞いているだけでは、自分の言葉になっていかないのです。
恥ずかしがる年齢なのに、声に出してほしい。このジレンマをどう抜けるか、という話になります。
効いたのは、ぬいぐるみを使ったごっこ遊び
我が家でうまくいったのは、ぬいぐるみを使ったごっこ遊びでした。
やり方は単純です。ぬいぐるみを相手に、簡単な英語のやり取りをする。内容は、教材で学習した範囲だけで十分です。
同じものを繰り返し見ていると、親のほうも自然に覚えてしまいます。ですから、出てきた言い方を少し変えて使ってみる、といった応用もできるようになります。親が英語を得意である必要はありません。
親が「大人として」直接話しかけても、うまくいきません
ここが大事なところです。
同じことを、親が大人として子どもに直接話しかける形でやると、途端にうまくいかなくなります。状況がちがうからです。子どもにとっては、親に試されている場面になってしまいます。
ぬいぐるみが間に入るだけで、これが遊びに変わります。間違えても平気ですし、そもそも正解を求められている感じがしません。
私たちの年間コースに、リズとテリーのぬいぐるみを付けているのも、この「ごっこ遊び」を促したいからです。
「嫌がる」ほうが、はるかに手強い
さて、こちらが本題です。
子どもが英語を嫌がるようになる原因は、はっきりしています。日々触れるコンテンツが日本語中心になり、英語のものはわからないからです。
わからないものは、おもしろくありません。おもしろくないものを、子どもは見ません。当たり前の話です。そしていったんそうなると、英語というだけで拒否するようになります。
ですから、対処も裏返しです。できれば、日本語のコンテンツと同じか、それ以上の量の英語のコンテンツに触れさせてあげてください。そうすれば英語は「わからないもの」ではなくなり、学習はずっとスムーズに進みます。
「嫌がってから何とかする」よりも、「嫌がる状態を作らない」ほうが、はるかに簡単です。
やめさせる必要はありません
嫌がるからやめさせる、という判断を、私はしませんでした。
英語は勉強ではなく、文化だと思っているからです。家の中で聞こえてくる言葉の多くが英語であれば、子どもは自然にそれへ馴染んでいきます。特別な働きかけは要りません。
具体的にやっていたことは、2つだけです。
- 家で見るテレビは、英語のコンテンツにする。日本語の吹き替えは使いません。英語の作品は、英語のまま見せます
- 音楽も英語のものにする。流しておくだけで構いません
これだけで、家の中の「言葉の割合」が変わります。
正直に申し上げると、数年のスパンが必要です。すぐに結果は出ません。ですが、それだけの価値はあります。
もちろん、いきなり家中のすべてを英語にするのは難しいと思います。まずは子どもがテレビを見る時間帯だけを英語にする、そこから始めてみてください。それだけでも、触れる量はかなり変わります。
上の2人と下の2人で、何が違ったか
最後に、我が家の話をひとつだけ。
上の2人は、小学生から英語教室に通いました。嫌がることもなく、淡々と通っていました。英検も、小学生のうちに3級に合格しています。
それでも、英語で会話ができるようにはなりませんでした。受験のための英語の勉強も、当然ながら欠かせませんでした。
下の2人は、0歳から家で英語に触れて育ちました。今はネイティブの子どもと会話ができますし、英語の本を原書で読みます。英検は小学1年生で3級、小学3年生で準2級、小学6年生で2級に合格しました。
この2人がやったことは、単純です。幼児期から英語を浴び、繰り返し声に出す。それだけです。
私たちはこのやり方をブリッジ英語メソッドと呼んでいます。英語を「勉強する言語」ではなく「使う言語」にしてしまうまで、橋を渡してしまう、という意味です。Learning Arts ENGLISH は、この2人の家庭で10年以上かけて実証したやり方を、どの家庭でも再現できるようアプリにしたものです。
同じ家の、同じ親です。違ったのは、幼い時期に英語が生活の中にあったかどうかだけでした。
お伝えしたいのは、教室に楽しく通えていることと、英語が身につくことは別だということです。嫌がらずに通っているから大丈夫、とは限りません。
まとめ
- 「恥ずかしがる」と「嫌がる」は別物。原因も対処もちがう
- 恥ずかしがるのは、始めた年齢が上がるほど強くなる。人見知りの年齢に外国語で大人と話すのは、大人でもきつい
- それでも幼児期のアウトプットは必要。ぬいぐるみを使ったごっこ遊びなら、遊びのまま声が出る。親が直接話しかけるとうまくいかない
- 「嫌がる」原因は、日本語中心の生活で英語がわからなくなること。英語のコンテンツを日本語と同量以上に
- やめさせる必要はない。テレビと音楽を英語にするだけでも、家の中の言葉の割合は変わる
- 教室に楽しく通えていることと、英語が身につくことは別
※ 記載の学習成果は個人のものであり、同等の結果を保証するものではありません。