「毎日やらせているのに、うちの子はちっとも英語が身につきません」

そう相談されることがあります。教材が悪いのか、始めるのが遅かったのか、うちの子には向いていないのか。原因を探して、いろいろなものを疑ってしまいます。

結論から申し上げます。理由はほぼひとつです。英語を浴びている量が足りていません。

才能の話ではありません

ひとつ思い出していただきたいことがあります。世界中を見渡しても、母国語を話せない人はいません。

どの国のどの子どもも、周りの言葉を大量に、しかも繰り返し浴びて育ちます。最初は意味も分からず聞いているだけです。やがて音が聞き分けられるようになり、まねをするようになり、気がつくと話しています。

特別な訓練を受けたわけでも、文法を教わったわけでもありません。全員がこの順番を通ってきました。

英語も同じ仕組みで身につきます。だとすれば、身につかない理由もはっきりしています。浴びた量が足りない、それだけです。

「時間の長さ」より「続いた期間」

ここで多くの方が誤解されます。量というと、1日に何時間やるか、という話だと思ってしまうのです。

そうではありません。1日の長さよりも、どれだけ長い期間続いたかのほうがずっと大事です。

毎日10分を3年間続けた子と、週末に2時間ずつを3か月やった子では、前者のほうが確実に伸びます。言葉は、短い接触が長期間積み重なることで身についていくからです。

ですから、机に向かわせる時間を増やす必要はありません。増やすべきなのは、英語が耳に入っている日の数です。

「通わせているのに」という落とし穴

英会話スクールに通わせている、というご家庭も多いと思います。それでも足りていないことがあります。

幼児をコントロールするのは簡単ではありません。ですから実態として、歌と遊びだけで終わってしまう教室も少なくありません。それ自体が悪いわけではないのですが、英語を浴びる量としては多くありません。

そのうえ、週に1回通ったとして、残りの6日間に家で英語に触れる時間がゼロであれば、量にはなりません。

家では何をすればいいのか

おすすめは、英語の子ども向け番組を繰り返し見せることです。

新しいものを次々に与えるのではなく、同じものを何度も見せてください。飽きるのは大人だけです。子どもは同じ場面を繰り返し見て、そのたびに聞き取れる音を増やしていきます。

どんな番組がいいのかは、子どもに見せる英語番組の選び方で詳しくご紹介しています。

やりがちで、実は逆効果なこと

いちばん気をつけていただきたいのは、英語を教えようとすることです。

会話の相手になってあげるのは、とても良いことです。一方で、受験英語の知識で子どもに英語を教えるのは避けてください。

英語圏で育っているネイティブの子どもでさえ、文法を間違えます。それが普通です。間違いに気づいたときは、正しい言い方をさりげなく返してあげる程度にとどめてください。

これを「勉強」にしてしまった瞬間に、子どもは英語から離れていきます。

伸び悩みは、実は起きません

「うちの子は途中で伸び悩んでいます」というご相談もあります。

しかし語学で本当に伸び悩むのは、かなり上級のレベルに達してからの話です。私たちが日常で必要とする程度の英会話であれば、量さえ確保できていれば止まることはありません。

本当の壁は別にあります。子どもがある程度大きくなると、英語の動画を嫌がるようになるのです。日本語のほうが楽ですから、当然のことです。

そうなると浴びる量が減り、結果として身につかなくなります。私たちが幼児期の英語習得をおすすめしているのは、これが理由です。嫌がる前に、自然に浴びられる時期を使ってほしいのです。

「ついてきた」と分かる合図

では、どこで手応えを感じられるのか。

しばらくは何も起きないように見えます。それでも英語のシャワーを浴びせ続けてください。ある日、単語がぽろっと口から出てきます。これが芽が出た合図です。

いつ出てくるかの目安はありません。生活の中で何かきっかけがあると出やすい、という程度です。ですから焦らないでください。

そこから3語くらいの文が話せるようになるまでは、また長く感じます。進んでいないように見えます。ですがその間も、子どもの脳の中には英語のプールができ続けています。

Learning Arts ENGLISH の場合

英語を浴びて、繰り返し声に出す。私たちはこのやり方をブリッジ英語メソッドと呼んでいます。

私たちの教材は、この「浴び続ける」を家庭で無理なく続けられるように作りました。毎日短い時間で、長い期間続くことを前提にしています。

まとめ

身につかない理由は、才能でも教材でもなく、量です。そして量とは、1日の長さではなく続いた期間のことです。

教えようとせず、毎日少しずつ英語が耳に入る状態を作ってください。それが遠回りに見えて、いちばん確実な道です。